メニーコア対応ゲームエンジン

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日時:
2010年09月01日(水)11時20分〜12時20分
形式: セッション(60分)
受講スキル:
マルチコアでのゲームプログラミング
受講者が得られるであろう知見:
将来のゲームエンジン、システムの方向性
セッションの内容

PlayStation3やXbox 360 等の現行機は、数個のハードウェアスレッドを同時に実行することが可能である。一方、GPUは、内部のキャッシング機構を利用して数100から数1000のデータを並列に計算している。今後の発展の方向性として、CPUはコアが多くなるメニーコア化し、GPUは複雑な計算を可能にする汎用コンピューティングに向かうため、両者は非常に近いものになることが推測できる。
このような数10から数100個のコアが並列で動作するアーキテクチャでは、ゲームのシステムそのものが大きな方向転換を迫られるのは必須である。fork-joinモデルでの並列化は、実装はシンプルであるが、joinの為の待ちが無駄であり、部分的にしか並列化はできない。また、旧来のゲームシステムでは、処理の依存関係が極めて高いため、並列にすることが困難であった。
本セッションでは、メニーコア時代のゲームエンジンの設計について紹介する。幾つかの並列化アルゴリズムについて解説し、ゲームエンジンに合いやすいパターンについて考察する。また、ゲームシステム自体に関しても、並列化してハードウェアの性能を最大限に引き出すための次世代のゲームデザインについて検討する。
本セッションの結果として、新たに作成したゲームエンジンの結果をお見せする予定である。
以上


講演資料

  • C10_P0166.pdf

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講演者プロフィール

今給黎 隆

今給黎 隆
所属 : 株式会社バンダイナムコゲームス
役職 : 第1スタジオ 技術サウンドディビジョン 技術部 技術開発課 ソフトウェアテクノロジスト

CEDEC2004, CEDEC2007, CEDEC2008, CEDEC2009で講演。2009年9月東京大学大学院 新領域創成科学研究科 博士課程修了。博士(科学)。認定スクラムマスター。