モバイルブロードバンド時代におけるP2P通信の落とし穴

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日時:
2014年09月03日(水)14時00分〜14時30分
形式: ショートセッション(25分)
受講スキル:
・TCP/IPの基礎知識・Socketプログラミング・NAT越えに関する基礎的な知識<br />・家庭用ルータ・モバイルルータ・UPnPの基礎的な知識
受講者が得られるであろう知見:
・どの程度のゲームユーザがモバイルブロードバンド経由でP2P通信を行なっているのかという認識<br />・上記ユーザ環境がP2Pオンラインゲーム環境に及ぼす影響と問題の認識<br />・上記問題解決に対するアプローチ方法
セッションの内容

ついに昨年、モバイルブロードバンド契約数が従来のブロードバンド契約数を上回った事をご存知だろうか。

これまで培われてきた、P2P通信を始めとするオンライン技術は「ADSL/光ファイバーといったブロードバンド回線」で遊ばれる事を前提としたものであり、そのままでは「LTEやWiMAXといったモバイルブロードバンド回線」では通用しない。

モバイルブロードバンド時代で遊ばれるP2Pオンラインゲームを生み出すには、この急激に普及した環境に対応してゆくことが必要不可欠である。逆にもし対応しなければ、この急増したユーザ層はもちろん、従来のユーザ層にも劣化したゲーム体験を提供する事になりかねない。

こ のセッションでは、P2Pオンラインゲームの通信ログの解析結果、各モバイルブロードバンド回線の実験結果を元に、モバイルブロードバンドの普及がP2P ゲーム通信に - 「どういう影響を及ぼすのか」「どういう問題を引き起こすのか」「どういう解決方法があるのか」実機を用いた実演を交えつつ、解説する。


講演資料

  • C14_167.pdf

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講演者プロフィール

佐藤元彦

佐藤元彦
所属 : 株式会社コナミデジタルエンタテインメント
役職 : クリエイティブサポートセンター プロダクトIT部 リサーチグループ<br>スタッフ

2008年 株式会社コナミデジタルエンタテインメント入社。 
オンラインゲームのネットワーク技術開発、特にNAT越えアルゴリズム、IPv4/v6デュアルスタックP2P通信ライブラリの開発を担当。


《講師からのメッセージ》


「P2P通信を行なうオンラインゲームといえば、FTTHを始めとした固定ブロードバンド回線につないで遊ぶのが当たり前。LTEやWiMAX等のモバイルブロードバンド回線で遊ぶなんてのはイレギュラーだから、動作は保証しない。」

こういった考えを持っている、ないし、これに準じたポリシーで、ゲームタイトルのサポートページに免責事項を書いてしまっている人は、少なくないのではなかろうか。

この発想は、確かに数年前まではよい妥協案であった。

しかし、それはそういった環境で遊ぶユーザが極端に少なかったからだ。
今や、モバイルブロードバンド回線契約がブロードバンド回線契約全体の60%を超えており、同じ考えで居続けるのはナンセンスだ。

すなわち、今までは例外としていたユーザ環境、そこへの対応が今後のP2P通信を考える上で必要となる。

では、その対応を考える上で気をつけるべき事は何か?どういう実装ならば高いゲーム体験を維持できるのか?
その答えはセッションで、お話しします。