ディジタルゲームにおけるマルチストリーミング再生の理論的な制御方法

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日時:
2014年09月03日(水)11時20分〜11時50分
形式: ショートセッション(25分)
受講スキル:
・ファイルシステムやストリーミングシステムの実装を担当している開発者<br />・ファイルI/Oの基本を理解している<br />・マルチスレッドプログラミングの経験<br />・プログラミング言語不問
受講者が得られるであろう知見:
マルチストリーミング再生の読み込み量とバッファサイズの決定方法、および各記録メディアにおける性能限界を予測するための基本的な考え方。また、マルチストリーミングを効率化するためのアイディア。
セッションの内容

音声ファイルや映像ファイルのマルチストリーミングにおいて、記録メディアの性能と、再生する音声ファイルや映像ファイルのビットレート、同時再生本数等 から、ストリーミングバッファのサイズと、ファイル読み込みの分割単位を決定し、マルチストリーミングを理論的に制御する方法を説明する。
マルチ ストリーミングでは、ストリーミングバッファのサイズやファイル読み込みのサイズがある閾値を下回ると、ストリーミング再生が破たんする。閾値は、スト リームの本数や再生するファイルのビットレートに応じて、ストリーミング再生中に動的に変化するため、動的な制御方法についても説明する。


講演資料

  • C14_160.pptx

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講演者プロフィール

及川進

及川進
所属 : 株式会社 CRI・ミドルウェア
役職 : 第1事業ユニット<br>エンジニア

2007年入社。
オーディオ、ファイルシステム系ミドルウェアのエンジニア。
Nintendo DS向けオーディオミドルウェア「救声主」の開発、サポートを経て、現在では主に「CRI ADX2」のNintendo 3DS、Wii U向け開発とサポートを担当。

また、CRI ADX2の開発には初期から参加し、ランタイムライブラリのサウンドドライバ、ストリーミング再生機能周辺の設計、実装を手掛ける。


《講師からのメッセージ》


スマートフォンの台頭や次世代ゲーム機の登場により、ディジタルゲーム開発の現場はいまだかつてない程のマルチプラットフォーム時代に突入しました。

記録メディアも多様化し、マルチストリーミング再生一つとってもなかなか一筋縄にはいきません。

例えば、
・ストリーミングバッファを余分に用意し、一度に大きくデータを読み込むため、再生開始の遅延も大きい
・ストリーミングバッファを切り詰めすぎて、ゲームのとあるシーンだけ音声が途切れる
といった経験は無いでしょうか?

本セッションでは、さまざまな記録メディア上で安定したマルチストリーミングを行うための、シンプルで基本的な考え方を示します。
この考え方に基づくことで、ストリーミングバッファのサイズを減らすことが出来たり、マルチストリーミング再生する予定のコンテンツの本数や品質について、技術的に可能かどうかを事前に検証できるようになります。

本セッションの内容が、マルチプラットフォーム向けディジタルゲーム開発の一助となれば幸いです。