デジタルゲームが人の認知機能に与える影響:ゲーム研究最前線 Todai Baba Game Lab

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日時:
2013年08月23日(金)13時30分〜14時00分
形式: ショートセッション(25分)
受講スキル:
とくにありませんが、心理学の研究成果をデジタルゲーム開発へ応用することに意欲のあるゲーム開発者の方々に向けて発信します。
受講者が得られるであろう知見:
最新の研究の紹介を通して、「ゲーム脳」の誤りと、それとは反対にデジタルゲームがプレイヤーの認知機能に与えるプラスの影響を理解できます。
セッションの内容

本セッションは、デジタルゲームが人の認知機能に与えるプラスの影響を解明した近年の研究を紹介するものです。日本中を震撼させた「ゲーム脳」の妄説に対して、近年の研究では、デジタルゲームのプレイヤーは非プレイヤーよりも、意識の切り替えや判断速度に優れていることが報告されています。これは、人が社会生活を送る上で最も重要な「遂行機能」と呼ばれる 高次の認知機能の向上を意味します。本セッションでは、心理学事実を測定するために開発された「心理尺度」を用いて人の認知機能を測定する研究を中心に、国内外の神経心理学、認知神経科学の最新の研究動向を整理し、非科学的な妄説を批判して、デジタルゲームの応用可能性を示唆する科学的なデジタルゲーム研究を展望します。


講演資料

  • C13_124.pdf

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講演者プロフィール

吉川 真人

吉川 真人
所属 : 東京大学
役職 : 大学院学際情報学府<br>修士課程

1983年生まれ。専修大学卒。株式会社三菱総研DCSで金融SEとして5年間勤めた後、
東京大学大学院情報学環(馬場研究室)に入学。専攻は神経心理学。

幼少期から現在に至るまで格闘ゲームをプレイし、全国優勝や世界大会出場の経験も持つ。
その経験を生かし、現在はライター、ゲームイベント制作、ゲームプレイヤー研究など、多岐に渡って活動中。

・所属団体HP
馬場研究室(http://chi.iii.u-tokyo.ac.jp/)
Gamebussiness.jp(http://www.gamebusiness.jp/)
TokyoGameNight!!(http://tgn.himitsukichi.com/)


《講師からのメッセージ》

このセッションは
「デジタルゲームと認知機能研究が現在どのように進められているのか」
「エンターテイメント向けゲームを認知機能リハビリテーションにどう活用できるのか」
について、最新の国内外の研究成果をまとめ、考察を行うものです。
聴講者の皆様が少しでも理解を深め、デジタルゲームの利用の可能性を感じて頂ければ幸いです。
私もこの分野に関してはまだまだ未熟者ではありますが、楽しんで頂けるよう頑張ります!


 


共同研究者


東京大学大学院 学際情報学環 教授 馬場 章
東京大学大学院 学際情報学府 博士課程 木村 知宏